先週はすっかり春の陽気でしたが、ここ数日は季節が逆戻りしたようで最高気温が10℃に満たない日が続くようです。とはいえ、三寒四温ともいいますので少しずつ季節は進んでいるのでしょう。暖かくなるとちょっと出掛けようという気分にもなりますので、サイクリングのイベントに足を運んでみました。
cycloop はメイン会場とサテライト会場があり、メイン会場では自転車の試乗、サテライト会場ではビールを楽しめました。前日は友達の結婚式だったために昼から夜まで飲み続けだったにも関わらず、やはり天気が良い日に昼間から飲むビールはおいしいものです。家から近い、という点も嬉しいところでした。
特に欲しい自転車があるというわけではありませんでしたが、自分の自転車のペダルを交換してみたので、その足慣らしには丁度よい感じでした。
そして今日は TOKYO サイクルフォーラムに行ってきました。母校の先生 (学科が違うので全然関係ないw) の公演を聞いていると、同じ大学でもいろんな研究をしている先生がいるんだなぁ、と今さらに実感させられます。それにしても、歩車分離や自転車通行路の一貫性の無さは、言われてみるとナルホドーと思いました。歩行者、自転車、車の三つを分離してそれぞれが気持ちよく移動できることが目標なのは共通しているのですが、共有できていることはその想いだけ。実際にそれを実務レベルまで落とし込むと、明確な指標はないそうです。そのため、路肩に十分な広さを持つ道路であっても、歩道の中央に区切り線を引いてしまうのだそうです。その結果として、自転車が街路樹に突っ込む以外にないようなことになったとしても。景観も損ねるし、誰も使わないし、という現実はこうして出来上がっていくそうです。
この話を聞いて、自分の仕事にも当てはまるなぁ、としみじみ思いました。ソフトウェアにも設計と実装という段階がありますが、設計だけやれば実装はどうでも良いかというと、そんなことはありません。神は細部に宿る、とも言うように、実装をやらない、できない人には細部が分からないので、多くのことが理想論あるいは机上の空論に終わってしまうことでしょう。コンピュータ・サイエンスには建築分野からもたらされた考え方がたくさんありますが、思わず納得してしまうことだらけです。
脱線してしまいましたが、公演でもその後のパネルディスカッションでも、ヨーロッパの自転車事情が紹介されました。デンマークのコペンハーゲンには「グリーンウェーブ」という時間帯があり、20km/h だと信号にひっかからないで 3km くらい走って通勤できるそうです。ドイツには自転車の洗車機があるらしく、3ユーロくらいで使えるとのこと。どちらも自分にとってはうらやましい限りです。また、ロンドンでは2009年の予算のうち、150億円が自転車予算として使われたそうです。自転車が快適に走れる幹線道路(?)のようなものを整備するそうで、市長選の投票にも影響があったとかなかったとか。蛇足ではありますが、韓国でも自転車道の整備が進んでいるそうです。
ここ数年は、自転車に乗るとエコだとかメタボだとかの流れもありますが、もっとも大切なことは、多くの人が心地よく共生できることなんだろうなーと感じました。歩車分離から歩車共存、あるいはもっとドラスティックに共有空間に移行するような都市設計も考えられますが、根本的には人間がどう振舞うかという問題に落ち着きそうです。自転車も車も人間を拡張するための道具にすぎないのですから。
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