2013年1月14日

横浜のオープンデータ #yods


CC BY (Cygri)

横浜のオープンデータを考えるイベントに行ってきました。

経緯

  • 横浜オープンデータソリューション発展委員会 」が2012年12月19日に発足
  • オープンデータがどのように役に立つかを考えるアイディアミーティング開催
  • 今回のテーマは「文化観光×オープンデータ」
  • 今回スタートする文化芸術観光以外のテーマにおいても順次テーマ会を立ち上げ、マルチステークホルダーによる具体的な取り組みを支援

なんで横浜?

横浜市は文化芸術を軸にした街づくりやシティプロモーションを積極的展開しています。 横浜で生活する人々のクオリティオブライフの向上、インバウンド観光の向上、クリエイティブ産業の創出、 これらを目指す上で欠かせないのが街に関するデータの活用です。 こういったテーマに関心を寄せる多様なプレイヤーがデータをシェアし、繋ぎ、自らのアクティビティに活用していくことで、多くの人に横浜の魅力や価値を広く発信し、また、深く知ってもらうことができるはずです。

日本でも公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が世界に先駆けて市内のイベント情報や文化施設情報等、 文化芸術に関するデータのオープンデータ化を進めています。

政策との兼ね合い

  • 国レベルよりも都市レベルの方が生活に密着したアプリケーションに繋げられる可能性が高い
  • "Do It Ourselves" Tim O'Reilly Gov 2.0
  • 行政はコーディネートするだけ、実際の推進は市民ひとりひとりが進めて行く
  • 大きな政府ではなく、大きな社会
  • データに基づくオープンな政策サイクル

人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができる、という考え方を 「 ソーシャル・キャピタル 」(社会関係資本) と呼ぶそうです。 コミュニティの関与、社会ネットワークの拡大とか、おそらくそんな感じの文脈で使われる概念だそうです。 オープンデータの話のときはちょっと覚えておくと良いかもしれません。 (社会インフラを指す「社会資本」としては訳さない)

行政のデータ

今回のミーティングのテーマとして「アートと観光」が挙げられていました。 この分野に関する行政部門として「文化行政」があるそうです。

「文化行政」の目的は:

  1. 都市を輝かせる
  2. コミュニティをつくる
  3. 心が豊かになる

イベント情報、プロジェクト情報、場所 (文化施設、オープンスペースなど) を管理しており、 作品資料、感想、意見、アンケートといったデータを持っているそうです。 行政と民間の役割は異なっており、特性に応じた適切な役割分担をしていきたいとのこと。

行政の各セクションはそれぞれにホームページを公開していますが、 いわゆる「縦割り」の状態なので、それらを紐付けることが難しい状況です。 情報を「公開する」側の手間の問題で、情報を「使う」側の利便性が損なわれている、という指摘がたくさんあり、 ミーティングに出席してくださっていた担当者の方にも響いていたように感じました。

横浜市は 横浜コミュニティデザイン・ラボ の方々の活動もあって行政からのデータ提供が活発な印象です。 まずはライセンスを整理してコンピュータが処理しやすい電子データ (または raw data) になることが第一歩になりそうです。 ライセンス形態を考える上では FIVE STAR LICENSING が参考になるとのことでした。 鯖江市 (データ シティ鯖江) のように XML/RDF で公開されるようになることを期待しています。 (鯖江市のオープンガバメント - 2012年2月の記事)

実際に公開されているデータ

下記のスプレッドシートにまとめてくれています。

市役所が公開しているデータは二次利用に関するライセンスが明記されていないものが多いですが、 オープンデータとして整備されているものもあります。

  • ヨコハマ・アート・LOD (CC-BY-ND)

    • 横浜市内の芸術文化に関する、イベント情報、場所・施設情報、アーティスト情報
    • 管理主体: 公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
  • みんなでつくる横濱写真アルバム (一部CCあり)

    • 古写真など横浜の写真を7000枚以上収録、APIもある
    • 管理主体: 横浜写真アーカイブ協議会
  • DBpedia Japanese (CC-BY-SA) (PD)

    • WikipediaをLOD化、日本語版の他多言語展開
    • 管理主体: DBpedia Community
  • 気象情報 (気象業務法の趣旨に反しない限り制限なし)

    • 気象データXML
    • 管理主体: 気象庁
  • DATA MAP (CC-BY-NC-ND)

    • 住所・駅・寺神社・学校等座標情報(横浜市・京都市)
    • 管理主体: リッツ総合研究所

公共のデータがオープンになることにより、 Where does my money go? (税金はどこへ行った?) といったサイトが立ち上がってきました。 「横浜市財政局財政課が作成している平成24年度一般会計予算のデータ」を使って、税金がどのような用途にいくらぐらい使われているかを表現しています。

課題

「アート」に関すること:

  • 興味のない人にどうやってアプローチしていくか?
  • アートを軸にして探し始める人には十分な情報がある。そうでない人はそもそもアートに振り向かない。
  • 「点」になっている印象があり、それぞれの関係性がよく分からない。
  • アートを鑑賞してその後に感想を共有できるかが微妙...
  • 開催時間が付近の飲食施設とマッチしてない。コンサートの終了時感が飲食店のラストオーダーより後とか。

「オープンデータ」に関すること:

  • オープンデータに関する事柄を予算申請するときは大変 (認知率が低いのと効果が不明瞭なため)
  • アプリケーションの議論まで辿り着けていない (卵が先か鶏が先か? という話)
  • どこから始めるかが難しい (なんで横浜? みたいな意見も依然として残る)
  • セマンティックWebに比べてボトムアップで進めているため、全体像が見えにくい感じ

何から手をつけたら良いのやら、といった状況でもありますが、2月23日には 「Open Data Day」が企画されています。 世界的にはひとつのムーブメントへと成長していくのではないでしょうか。

10年くらい前のオープンソースのような状態、それが現在のオープンデータを表現するのにピッタリなようです。

なお、「政治と IT」で考えると次の記事がとても参考になります。

追記 (2013/01/15):

DBpedia Japanese のライセンスを PD から CC-BY-SA に修正しました。

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