2011年7月22日

マサチューセッツ工科大学

新潮社から出版されていた「マサチューセッツ工科大学」を読んだメモ書きです。

書籍自体の初版は1995年9月で、2011年現在だと、おそらく絶版になっています。 新潮文庫から出版された 文庫版 だと Amazon から中古版を購入できるようです。

読後感が訳者あとがきと一緒だったので抜粋します。

「ハイテク」関連の書籍というのは、ある友人の表現を借りると、おおむね「高血圧」の表現をとっている。 騒々しいハイテク・グルーピーとは対照的に、きわめて冷静な、低血圧アプローチをとっていることが、 個人的には本書の最大の美点と考えている。

時代を順々に追ってくると、エンジニアリングから出発してサイエンスに比重を移してきたことが分かります。 一方で、最近の日本では、大学でも企業の即戦力となる人材を育成すべきだ、という論調も散見される点が興味深いところです。 「歴史は繰り返す」という意味での揺り戻しなのか、もしくは歴史を共有できていないのか、 はたまた、大学や大学院を研究機関として位置付けること自体が意味をなさないのか。 社会的な構造や役割は変わり続けるため、唯一の正解もありませんが、 大学の秋入学 (東大「秋入学」の前にやるべきこと - newsweekjapan.jp) が検討されている昨今、 海外の有名な大学がどのような変遷を辿ってきたかを学んでおくのも良いですね。

もちろん、工学系の大学についての叙述ですから科学や工学に関する基礎知識があると読みやすいでしょうが、表現が固い以外は、数式などはありませんので気軽に読み進められます。願わくば、高校生のときに読んでおきたかったなぁ、と思いました。MIT への憧れというだけでなく、そもそも大学って何するところ?何を期待されているところ?という点が深堀りできるかもしれません。

目次は次のようになっています。

  • 第1章 エンジニアの欲望と動機
  • 第2章 バランス喪失のユーモア
  • 第3章 エンジニアの誕生
  • 第4章 思考をうながす校舎の誕生
  • 第5章 工学 (エンジニアリング) から科学 (サイエンス) へ
  • 第6章 鉄道模型クラブ
  • 第7章 MIT製の義肢
  • 第8章 メディア研究所
  • 第9章 10億分の1 (ナノ) メートルのテクノロジー
  • 第10章 技術のスポーツ
  • 第11章 脱コンピューターのシステム

「理系」と十把一絡げにされることも多いですが、多様な分野があるなぁ、と当たり前のことを再認識できました。

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